忘れられない恋の味
今週のお題「ひんやり飯」
T・K・G
クックドゥさえ一目散に逃げ出してしまうほどのシンプルの極み。
しかしシンプルがゆえに、飽きが来ない。
来たとしても、また忘れた頃に恋しくなる。
T・K・G
まるで初恋の女のように、私の空腹を満たす。
時にはうまくいかなかったり、理由もなくうつむいてしまう日もある。
そんな時、胃の隙間にそっと潜り込み、満腹中枢に愛をささやく。
T・K・G
君はどこにいるのだろう。
ふとスーパーでその白い肌に似た人とすれ違う。
この名もなき養鶏場に、なんと名前をつければいいだろう?
T・K・G
あたたかいようで、ひんやりしている。
何も知らなかった私に、たくさんの気持ちを教えてくれた。
もういないと思っていたのに、冷蔵庫の片隅でたった1つだけ残っていた時のよろこび。
T・K・G
時には喧嘩して茹で上がり、何もかも終わりだと諦めてしまう日もあった。
愛していたはずなのに、別の料理に逃げてしまい、お互いを傷つけあった。
T・K・G
ふたりの間には他に何もいらない。
でも、黒い暗雲が立ち込める時こそ、二人の絆は試される。
その荒波を乗り越えた時、二人は深く混ざり合う。