Story of my life

日常に転がる疑問を掘り下げるだけ掘り下げて放置

Kinds of love

 多くの人が悩むことのひとつ、それは愛情。


 今日、私は今までに感じたことのない愛を知ることができた。


 その経緯はこうである。

 


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 三ヶ月ほど前、とある勉強を通じてひとりの女性と知り合った。その人は私より20歳ほど年上なので、母親に近いような、友だちのような、なんとも言えない距離感の人だ。


 その人は、私が高校生の頃よく遊んでいた女の子に似ていて(その女の子と恋愛関係になったことはない)、その人の母親かと思ったほどだ。だから私はその女性に対して、最初から一方的な親近感を持っていたのだ。


 たった三ヶ月ほどの間だったが、勉強を通してたくさん話をしたり、馬鹿なことで笑いあった。

 

 私は基本的に、人と仲良くなるのが少し苦手で、私にとって何気なく話しかけられる数少ない人だ。

 

 しかし、そんな日々も今日で最後となった。


 送別会ということで何人か集まって飲み会をした。その人は明日用事があるということで先に帰ることになって、ハンドルキーパーの私が家の近くまで送り届けることになった。

 


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 私が今まで感じたことのある愛情とは、誰かを愛しいと思う気持ち、つまり恋愛感情としての愛。そして家族に対する愛。友だちや親戚の子どもに対する愛。それくらいだ。


 その女性に対する気持ちは、そのどれとも違ったものだった。恋愛対象として見ているわけでもない、たった三ヶ月ほどの付き合いで、家族とも違う。


 今日で最後だとわかっていたから、家まで送るまでに少し話ができてよかった。


 別れ際に「◯◯さんがいなくなることが一番寂しい」と私の本音を伝えることができた。


 私も歳をとったものだ。涙腺がゆるくなっているだけかもしれない。明日からは、お互い新しい場所で生きていく事になる。


 勉強うんぬんよりも、その女性と出会い、何気なく暮らせた日々の方が大切な思い出となった。


 その女性に対する気持ちが、どんな名前を持っているのかはわからない。


 私たちは別れ際に握手を交わし、手を振った。


 またどこかですれ違うかもしれない。もう二度と会わないかもしれない。

 

 その女性も私にエールを送ってくれた。私のような人間でも、信じてくれる人がいる。


 自分の気持ちを素直に伝えることが、きっと相手に勇気を与え、自分自身を強くさせる。


 ありがとう。