なぜファーとかフォーは面白い
1.「面白さ」の定義
突然だが、あなたはどんな時に「面白い」と感じるだろうか?
- M-1グランプリを見た時
- 気の利いた受け答えができた時
- ボケとツッコミがきれいにハマった時
などなど
言葉を使った面白さの代表格といえば、漫才であろう。これらは意表をついた話の展開だったり、頭のいい受け答えであったり、ちゃんと意味の通ったストーリーの中での「笑い」だ。
他には「ふとんがふっとんだ」のように、同音異義語を重ね合わせて一つの文章を作る、通称「ダジャレ」も面白いものがある。
2.知性の恩恵
「笑う」という行為は、全ての生物の中で人間にしかできない行為である。全ての生物の中で人間しか持っていない特性は「知性」、つまり知性があるからこそ笑うことができる。
言葉の意味や背景を理解することができるから我々人類は面白いと感じ、「笑う」ことができるのだ。
しかし世の中には、具体的な意味がないにも関わらず、しかも文章にさえなっていないのに、笑ってしまう言葉がある。
3.擬音?雄叫び?鳴き声?
そう、その言葉は、かつて一世を風靡したハードゲイの「フォー!」である。他に私が面白いと感じたのは、
- ばいきんまん「はーひふーへほー」
- マイケル・ジャクソン「foo!」
- ラマーズ法「ヒッヒッフー」
- ピンクレディー「ユッフォー」
- 小島よしお「ピ〜ヤ」
- ゴルフのOB時「ファー!」
- ディズニー「ビビデバビデブー」
- ブラマヨ小杉「ヒーハー!」
- いないいないばぁを英語で「Peekaboo」
などである。
これらの言葉を検証してみると、ある共通点に気付く。それは「ハ行」の言葉であるということ。なぜ「ハ行」の雄叫びは面白いのか。
4.ホモ・サピエンスに進化した理由
実際に発音してみたところ、ハ行の言葉は「呼吸」に近く発音しやすい、という答えにたどり着いた。
笑う時に発する言葉の代表は「ははは」である。笑うとは反射行動である場合が多い、つまり咄嗟に出てくる言葉という意味においても、ハ行は理に適っているのだ。
「ハ行」の言葉は呼吸の延長線でできる、つまり我々人類の祖先が一番最初に発音できた言葉は、「ハ行」のどれかではないか、という仮説を立てることができる。
「言語」という具体的な意味を持つ言葉が発音できるまで、我々人類の祖先は、動物のように鳴き声や遠吠えで、意志の疎通を図っていたのではないか。
その雄叫びのなかでも最も発音しやすいのはおそらく「ハ行」の言葉。その時の名残がまだ我々、現世人類に残っていて血をたぎらせる。そう、人は笑うと血液の循環がよくなり、体温が上がる。草木が生い茂るジャングルの中を、雄叫びをあげながら駆け抜ける我々の祖先たちの姿が目に浮かぶ。
5. 世界最古の音楽
遠い昔、我々の祖先は何を話していたのだろうか?
- 大きな獲物を捕まえることができた時
- たくさんの収穫をあげられた時
- 遠くにいる仲間に合図を送る時
まだ何も意味のあるものを持たず、でも自分の気持ちを伝えたい思いが溢れ出た時、きっと喉の奥から唸り声をあげたに違いない。
H線上のアリアこそ、人類が初めて奏でた音楽ではないだろうか。それゆえに「ハ行」の雄叫びを聞いた時、我々のDNAは歓喜に打ち震えるのである。
fin(フィン)
6.おまけ
「ハ行」以外で面白い雄叫び
- イヤミ「シェー!」
- 作者不明「ガチョーン!」
- ちびまる子ちゃん「タッタタラリラ」
- 倖田來未「チュクチュク」
- 近藤真彦「ギンギラギン」
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