藤田麻衣子 絶対に聴くべし初期3曲
今回の記事は藤田麻衣子さんの初期の名曲を3曲紹介していこうと思う。
彼女はメジャーデビューしているが、世間一般の人が知っているような曲というのは、あまりないであろう(失礼)
しかしその楽曲のクオリティは間違いなく必聴に値する。
なかでも特に素晴らしい曲を、私の独断と偏見を交えながら遡って紹介してみたいと思う。
- あなたが私の頬に触れるとき
麻衣子さんの記念すべきファーストアルバムの一曲目に収録されている曲だ。
なんと、全編を通してアカペラで歌っている!コーラスも全て一人で重ねているであろう。
こんな思い切ったアレンジの曲をファーストアルバムの一曲目にいれるとは、並々ならぬ覚悟の上にほかならない。驚嘆に値する。
「そのままでいいよという言葉が、私を変えていく。だからそばにいて。」
「そのままでいいよ」、といっているのに、「変わる」という言葉に繋がる、この逆説的な詞には驚かされた。
ついつい私たちは誰かに対して、こうした方がいい!とか押し付けがましい事を言ってしまいがちだが、安心感を与えてくれる人がそばにいれば、自然に自分をいい方向へと導いてくれるのだと教えてくれる。
デビュー当時まだ20代前半だった麻衣子さんだが、こんなオトナな考えを持てているとは、一体どんな過去を隠し持っているのであろうか?
2.横顔 ~私の知らない桜~
麻衣子さんの初期のバラードの傑作と言ってよいだろう。マジで泣ける。
「まるで誰かが作り上げたような、風に散った満開の桜。思い出のなかに今も咲き続けている」
と、詞の中では歌っているのに、タイトルにはわたしの知らない桜、とある。
そしてさらに、
「まるで誰かが作り上げたような」
この部分に注目すると、その誰かとは自分自身のことなのではないか?
本当にあった出来事だけど、時の流れの中でその思い出も、自分自身も変わってしまい、思い出の中にある桜が本当のものなのか、自分でも確信が持てなくなってしまったのであろうか?
時が過ぎていけば、忘れたくないと思っている事でも、少しずつ確実に消えていくもの。思いが強ければ強いほど、忘れていく事に対して罪悪感を持ってしまう。
時間のそういった残酷な一面をうまく表現しているのではなかろうか。
そしてさらに、思い出を実際にあった事以上に美化してしまうのも、人間の一つの側面ではないか。
もはや、ロマンティックが止まらないとはこのことであろう。
3.各駅停車
あえてシングルではない曲を選んでみた。隠れた名曲である。
主人公はシャイボーイであろう。誰かを好きになっても、いつもタイミングを逃して伝えることができなかった。
この曲のタイトルである各駅停車という言葉。ここがポイントである。
特急のように一直線に相手にたどり着けず、いちいち立ち止まってしまうもどかしさを比喩したものであろう。まさに青い春である。
「改札を抜けて、歩く線路沿い。通り過ぎる電車、かき消される声、僕らを近づける。」
この歌詞の部分だけ見ればマジで甘酸っぱいシチュエーションなのだが、メロディーがマイナー調なせいか、切なさがハンパない。
個人的にかなり好きな曲なので、ぜひ聴いてもらいたい。
以上、初期の名曲を紹介してみたが、冒頭にも書いたとおり、完全に独断と偏見に満ち満ちている。見当違いな意見を書いてる可能性も大いにあるので、みなさまの意見も教えていただければ幸いである。