今日から俺は!は、なぜ流行っているのか
今日から俺は!がかなりブームになっている。私の身近な人も見ていて、何人かからオススメされたので見てみた。
そう、たしかに面白い。かなり些細でどうでもいいようなことでも叩かれるこの世の中において、深夜枠とはいえ、かなり思い切った内容だ。
暴力、暴言、喫煙、流血…学校をサボって早弁など、どう考えても時代にそぐわない。というか下手したら今どきの子どもたちは早弁という言葉さえ知らないかも!平成最後の置き土産という位置付けだとしても、あまりにヘビーだ。
そういった過激なシーンがあるとはいえ、基本的にはコメディドラマだ。ツッパリ、ヤンキー、スケバンなど、30代前半の私でさえも引っかからないようなワードも出てくる。
少々、というかかなり盛りまくりの演出や、主人公や脇を固める演者たちの意味不明な踊りやセリフの数々は見どころだ。しかも回を追うごとにひどくなっているような…いや、おそらく気のせいではない。完全に大人たちの悪ふざけドラマといっていいだろう。
ただ面白い、興味深いだけなら他のドラマでもいいはず。何が他のドラマと違うのか。
80年代という昭和も終わろうかという時代。この頃の常識と今の常識に共通点などほとんどないだろう。ドラマにでてくる登場人物の格好を見れば一目瞭然だ。短絡的に考えれば共感できる要素はない。
しかしその見た目が、今の若い世代からすれば珍しいのかもしれない。情報化社会で監視されているような感覚の中で育ってきた子どもたちには、好き勝手に振る舞う登場人物が新鮮に見えるのかも。
平成最後の〇〇、のようにいえば大抵のことは許される感が、ここ最近は特にひどいように感じる!
ヒットドラマの共通点
ここ最近ヒットしたドラマは、どうもコメディが多いように感じる。例えば、
「おっさんずラブ」
「今日から俺は!」
そしてこれらのドラマの共通点はコメディという以外にもう一つある。
「おっさんずラブ」→同性愛
「今日から俺は!」→不良
といった、どれも表向き、社会的にはあまり良しとされない事がコンセプトとなっている。
社会的にあまり良しとされない事だけをピックアップしていたら、シリアスだなと思われるだけで終わってしまう。「中学聖日記」などがいい例だ。
私が思う一番の問題点は、このストレス化社会において、職場や日々の生活ですでにシリアスな状況は嫌というほど体験しているのに、なぜドラマの中でさえシリアスにならないといけないのか。
しかし、シリアスな要素に笑いが加われば、わりとすんなり受け入れられるものなのだ。
みな、現実での生活に疲れている。そういった状況の中では、社会的に良しとされない事をして、笑いをとっている人たちを見ると、共感とまではいかなくても、少し羨ましいと感じるのではないか。それがヒットに繋がっていると思われる。
次のクールでも「反社会的なコメディドラマ」がヒットすること間違いなし!多分!