やっている方は楽しいけど。
仕事なり趣味なり、何かしらを極めている人は飽きないのだ。
私は趣味でギターを弾いているのだが、私の住んでいる田舎でも、その筋のプロがやって来ることもある。彼らを見て一つ気付いたことがある。
彼らは飽きることなくギターを練習できるのだ。
ある日、ジプシージャズというマイナーなジャンルのプロがやってきて、そのギターを聴くことができたのだが、まさにプロ!とてつもないテクニックを持っていた!しかし…
3曲くらいで飽きる!!!
どれだけすごい技を持っていたとしても、同じような曲を延々と10曲近く演奏。
どれだけ好物の食べ物でも毎日出されたらうんざりするだろう。まさにその状況。明らかに私の後ろの席の人たちはおしゃべりが多くなってきた。
これこそが音楽のジレンマなのだ。どれだけ弾いても飽きないくらい好きでなければうまくはならない。しかし、いかにすごいミュージシャンでも、聴いている方は同じような曲を延々とされても途中で飽きてしまう。
結果、よほど好きな人でない限りファンにはならない。私もまた彼が来たとしても、多分見に行かないだろう。
そしてこういった経験は一度や二度ではない。押尾コータローというギター一本でバンドのような音を出す超絶ギタリストが私の住む県に来たことがある。どの曲もすごいテクで演奏しているのだが、ライブ中に同じ曲を何回か弾いていたとしても、多分ほとんどの人は気付かないだろう。
何かを極めるにはとてつもない練習がいる。しかし本人は飽きないとしても、聴いている方は飽きる。
一つのジャンルに特化することが、いかにリスキーか、この事実が音楽がお金にならない理由の一つだろう。