なぜ私は家に帰るのか
昨日は日帰りで旅行に行ってきた。
車で3時間以上、距離にして300km以上の旅だった。
行ったことのない街へ行くのは楽しみだったが、終わってみるとどこか物足りない気もした。
かなりの距離を移動してきたはずなのに、この街にもマクドナルドがあり、セブンイレブンがあり、私の街にもあるファミレスがある。
多少都会とは思うが、これほどの時間をかけてきたほどの非現実感はない。
沖縄から北海道までどこへ行っても円が使え、日本語が通じる。
日本は思ったより広くないのかもしれないと感じた。
ヘトヘトになり帰っている途中にふと思った。
1秒でも早く帰って布団に入りたいはずなのに、このまま家に着かなければいいな、と思う自分がいた事に気付いたのだ。
家に帰り着けば、長かった旅も終わりを迎え、いつもの日常に戻る。それがなんとなく寂しかった。
でも実際のところ、私は自分の街に帰る必要などないのだ。
守りたい人もいない、守る責任を負っている人もいない、誰かに帰れと言われたわけでもない。
なのにどうして私は家に帰ろうとしているのか。
このままどこか知らないところへ行って、もう帰らなくてもいいはずなのに、結局はこの街へ帰ってくる。
でもどこへ行っても結局、同じような店が立ち並ぶ街で、顔と名前が違うだけで中身は同じような人たちに囲まれ、生きていくしかないのか。
何をしてもいいはずなのに、今日も私はいつもの椅子に座り、同じような事を悩み生きている。