あなたも牧場の家畜かもしれない 「動物農場 著ジョージ・オーウェル」
あらすじ
イギリスのとある牧場にて…
主人である人間たちが寝静まると、夜な夜なそこで働く動物たちが集い、会議が行われていた。
動物たちの長は言う。
「我々は朝から晩まで働いているのに、ギリギリの食料しか与えられていない。いつか人間たちをこの牧場から追い出して、動物たちだけの平和で幸せな国を作ろう。」と。
ある日、一匹の馬がムチでひっぱたかれていたところ、ついに人間への逆襲が始まる。
偶発的な革命であったが、ついに人間たちを追い払うことに成功した動物たちであった。
これでこの牧場に幸せが訪れると誰もが信じていたが、実はここからが本当の地獄の始まりであった…
感想
動物農場、マジでエグいです。
動物たちの長、メージャーじいさんは動物だけのユートピアを夢見て若い世代に託しましたが、段々とその理想は地獄へと変わっていきます。
頭の悪い動物たちをまとめ上げるため、一番頭のいい(という設定の)豚が、あらゆることを決定していきます。
初めは平等な政策をとっていましたが、段々と豚と豚に賛同する動物たちに有利な政策が増えて、しまいには人間に支配されていたときとあまり変わらないような状況になっていく動物農場。
まるで北〇〇のような独裁世界。ごく一握りの連中が、他の大多数から財産を絞り上げるという構図。
ひどい目に合う動物たちですが、次第に動物たちと自分を重ね合わせてしまうのです。
なにか見えない力に縛られ、自分もいつの間にか大切なものを奪われているのでは、という恐怖があとに残ります。