なぜ人は余計なことを言ってしまうのか? 7/10
事実という武器
前回の続きです
ここまで散々Kに対する不満をぶちまけてきた。
しかしそれで終わってはフェアではない。
なので、今度は私自身の振る舞いについてもう一度考えてみたい。
私がKに言った暴言は、完全に事実だと思う。
とはいえ、人間関係においては、事実というものは厄介なツールだ。
事実は話し合いにおいて、役に立たない。
なぜかといえば、大抵の人間は事実を突きつけられると逆ギレするからだ。
よほど根っこが素直な人間でない限りは、殆どの場合逆ギレする。
つまり、相手に事実を突きつけるだけでは何も変わらない。
むしろ事態が悪化することになりかねない。
その事はわかっていたはずなのに、私は事実をKにぶつけた。
その点に関しては私に過失がある。
では私には他に選択肢はなかったのだろうか?
母の病気のことで余裕がなくなっていたのでつい暴言を言ってしまった、とその時は思った。
しかし落ち着いてよく考えてみると、私はKの軽薄な部分にいつも悩まされてきた。
だからきっと今回言わなかったとしても、いつかは言っていた、心からそう思う。
この衝突は、避けられない運命だったのではないかと感じている。
つづく