世代交代の時
私がまだ小学生だった頃、我が家の前には親戚の家があって、時々は庭でみんなでバーベキューをしていました。
私の家族と親戚の家族あわせて10人ほどいたでしょうか。わいわい騒いだのはいい思い出です。
しかし今、親戚は引っ越してしまい、その家は取り壊され空き地になりました。
そして私の家にも、もう私と父しかいません。
先日、久しぶりに庭で焼き肉をしました。私と父の二人だけで。
みんなでバーベキューをしていた時からもう20年以上経ちました。この世を去った人、この地を去った人、時の流れは早いものです。
自分の家族を作って出ていった人もいますから、悪いことばかりではありませんが。
その中で唯一人、私だけが次の世代にバトンタッチしないまま、好き放題に生きています。
私は自由気ままな今の生活を気に入っていますが、ふと不安になります。
家族からたくさんのものをもらっておいて、それをひとりで浪費し、次の世代に渡すことができないでいる。
望んでそうなったわけではないにしても、そのことに対して少しだけ罪悪感があります。
人類の発展なんて大それたことは言いません。正直に言えば、自分の大切な人以外、どうでもいいですから。
ただ、自分の大切な人たちがこれからも世代を超えて生きていくと考えると、嬉しい気持ちになります。
そうやって我々は生きてこれた。これが人間の強さなのかもしれませんね。