Story of my life

日常に転がる疑問を掘り下げるだけ掘り下げて放置

父は何かを怖がっている

f:id:no3b312:20210525211738j:plain私の父は、何かを怖がっている。

 

 

父は「色々あったんだよ」と、疲れた顔で言う。

 

 

格安スマホに変えたいと言っているが、「これは110番や119番に掛けられるのか?」と聴いてくる。

 

 

掛けられるに決まっているし、一体人生で何回110番や119番に掛けるだろうか。

 

 

父は家のいたる所に火災報知器を付けている。

消化器もいくつか。

災害用の備蓄も。

 

 

夜、人感センサーで点灯するライトを玄関の外ならまだしも、内側にも付けている。

 

 

ほうけたようなじいさんばあさんしか近所にいないのに、やたらとお隣さんを気にしている。

 

 

父は「色々あったんだよ」と、疲れた顔で言う。

 

 

父は必死で自分を保とうとしている。

 

 

私の父は、何かを怖がっている。