「職場」という居場所
お金持ちの家に生まれたり、中東あたりに油田でも持っていない限り、ほとんどの人は会社や組織に属して働かなくてはならない。
人にはいくつかの繋がりがある。
そしてその繋がりのなかで唯一断ち切れないのが、「お金の繋がり」すなわち仕事である。
あなたに家族がいなくても、友だちがいなくても、趣味がなくても、死ぬことはない。
しかしあなたがお金を持っていなかったら、死ぬ可能性がでてくくる。
この繋がりは、もとをたどっていけば、日本政府が我々につけた鎖(さらにもとを辿れば連合国)。人とお金を繋ぎ、こちらからは切ることができないような社会にしたのだ。
切れない繋がりだからこそ、一番依存状態になりやすいのが職場という居場所だ。
長時間一緒にいると…
一般的な職場というものは、休み時間も含めると10時間ほどいることになる。残業すればもっとだ。
眠っている間は死んでいるようなものなのでこれを差し引けば、人生で最も長い時間居ることになるのは職場だ。つまり、同僚と一緒にいる時間が家族や恋人よりも長くなるということ。
週5日、10時間ということは、そこで働いている間は、人生の殆どをそこで過ごすことになる。
特に残業で夜中まで働いた日など、朝起きて会社に行ったらついさっきまで会ってた人とまた会うのかと妙な感覚に襲われる。
相手が誰であろうと、よほど相性のいい人でない限り、長時間一緒にいれば嫌なところが見えてくる。そしてこの地球上で、誰かと長時間一緒にいる状態になりやすい場所こそ職場なのだ。
家族や恋人も長時間一緒にいる状態になりやすいが、家族や恋人の場合、金銭的な繋がりがないので、あなたが地下室に監禁でもされていない限り(もしくはあなたが誰かを監禁していない限り)、離れることは可能だ。
長く居ればそれだけ仕事とも深く関わらなければならない。職場にいる人とも長く過ごさなければならない。
何事もそこまで深く関わりすぎないほうが良いのだが、職場という場所にいる限り、避けて通りにくいのもまた事実。
厚生年金や福利厚生、会社によっては持ち株制度。会社に属していればかなりのサービスを受けられる。言い方は悪いかもしれないが、会社はそれらの制度を使って社員を依存状態にしているのだ。
あなたがGoogleやFacebookの社員でもない限り、職場とはただランダムに人を寄せ集めた場所に過ぎない。そこに気の合う人が居る可能性はゼロではないが、大体は趣味も育ちも全く違い、話す話題に苦労する。全国共通の話題といえば職場や上司のグチか、下ネタくらいのものだ。
お金の繋がり以外はなくても生きていける。しかし生きているだけでは満足できないのが人間という生き物。
仕事もお金も人生にはなくてはならないもの。しかしそれだけのために生きていくこともできない
次は「家族」という居場所と、「友だち」という居場所を考えてみて欲しい。