ポジティブとは曖昧さである
人はなぜ愚痴るのか、なぜ他人や社会を馬鹿にするのか。
その答えは実に簡単である、ネガティブに考えるほうが楽だからだ。
愚痴ったり、誰かや何かを馬鹿にするのは実に簡単だ。
多少ものを知っていれば誰にだってできる。
つまり誰かや何かを馬鹿にするのは、馬鹿な人ということである。
それに対して物事をポジティブに考えるには想像力がいる。
想像するには、頭を働かせなければならない。
ポジティブに考えることができるのは、想像力豊かな人。
さらに言うなら、他人の気持ちを考えられる人。
もしあなたがネガティブにしか考えられないのなら、想像力が失われている証拠である。
あなたが子供の頃は、たくさん妄想したのではないだろうか。
私はそうだった。
ここには書けないようなことも、色々妄想して楽しんでいた。
しかし今はどうだ。
いつの頃からか、妄想というものをしなくなった。
効率的になったと言えなくもないが、面白味のない考え方しかできなくなったのは否めない。
妄想しなくなったのは、現実が忙しくなったからではないか。
誰もが抱えきれないほどの荷物で潰されそうだ。
荷物を捨て去る機会を失っている。
本当はいつでも捨てられるはずなのに、意地が邪魔をしている。
ネガティブに考えるのは、そこで考えるのをやめたいから、と言いかえることもできる。
ネガティブに考えれば、話はそこで終わる。
ポジティブに考えるのは、話の続きを想像する行為とも言える。
明るい未来を想像すれば楽しい。
それが馬鹿馬鹿しいと思うのは、切り捨てたほうが楽だから。
そして人は白黒をつけることに快感を覚える。
人々がスマホに依存するようになった理由もそれである。
スマホで検索すればすぐに答えがわかり、話はそこで終わる。
ポジティブとは曖昧さである。
ポジティブにはたくさんの種類がある。
しかしネガティブは一種類しかない。
余裕のない人間にとって、曖昧さは気持ちが悪いのだ。
だから人は狂ったようにスマホで検索する。
そして半日もしないうちに、検索したことさえ忘れる。
人は賢くなりたいから検索しているわけではない。
答えが知りたいからではなく、話を終わらせたいから検索しているのだ。
人は必ず楽な方へ進みたがる。
余裕のない時は特にそうなる。
もしネガティブになりそうになったら、思い出して欲しい。
人はネガティブに考える方が楽だから、そうしているだけだと。