Story of my life

日常に転がる疑問を掘り下げるだけ掘り下げて放置

極薄カルピスの人生

先日私の務める会社で、定年退職した人がいました。
その人は高卒19歳から60歳までの41年間を務め上げたそうです。
 
 
やばっ…てかガチですごっ…
41年間って、ほぼ人生じゃないですか。
 
 
かつてどこかの国が掲げたゆりかごから墓場までを地でいったわけですよ。
 
 
逆にいいんですか、こんな会社で人生の半分を過ごして(失礼)
 
 
もっと他にパラレルワールド的な、今流行りの言葉でいうなら別の世界線みたいなものがあったんじゃないですか。
 
 
私も二度転職しましたが、なんだかんだで社会に出て17年経っています。
そう、私はその17年間に思いを馳せてみる…
 
 
なッ、なにィィィ!
何一つッッッ!!
思い出せないだとッッッ!!!
 
 
一瞬自分が記憶喪失だったっけかなと錯覚してしまうくらい、虚無。
 
 
なんかもっとキラキラしたセピア色のメモリー的なものが出てくるかなと思いきや、白とか黒とか以前の問題。
全くの無色透明。
 
 
そう、何よりまずいのが、嫌な思い出さえも特にないということ。
可もなく不可もない、水っぽいカルピスのような曖昧な記憶。
 
 
まずい、まずいぞヨシオカ。
17年って、どれだけの重みがあると思っている。
 
 
生まれた人間が義務教育を終えて、そろそろ一人前の大人の準備でもしてる年頃だろ。
甘酸っぱい青春でも謳歌して、キラキラした目を未来に向けてるはずだろう。
 
 
そう、41年勤め上げた人はすごいと思う、それはマジ。
でも私は多分、それだけ働いてふと後ろを振り返って絶望するタイプな気がする。
 
 
そう、この豊かな国で、誰かが引いてくれたレールの上に沿って、安全第一、利益は二の次の価値観を信じ切って…
 
 
いやだッッッ!!!
そんな人生はッッッ…
そんな生き方はそれこそ老人になってからでいいじゃないかッッッ!!!
 
 
怖い、怖すぎる、自分の人生が。
もったいないからといって、薄め過ぎたカルピスのようだ。
 
 
用心しすぎて、逆に飲むに値しないような味わいになっている。
 
 
人生を恐れるな。
原液のまま飲み干せ。