雨の日の通学路
去年の年末、私の祖父が亡くなりました。
正直言って、そんなにいい祖父でもなかったように思います。
私たち孫に対しては普通でしたが、子どもである私の父と叔父には結構適当で自分勝手だったらしく、二人からは嫌われてましたね…
そんな祖父ですが、祖父には一つ仕事がありました。
私たちが学生の時、雨が降ると学校まで車で送ってくれたのです。
しかし私たちにとってそれは普通のことだったので、特にありがたさも感じていませんでした。
時は経ち、私は社会人になりました。
私は地方に住んでいるので、車が必要なのです。
車で通勤するようになると、あることに気付きました。
雨の日は、たくさんの学生が自転車でずぶ濡れになりながら通学しているのです。
田舎ですから学校まで結構な距離があります。
もちろん学校につく頃にはびしょびしょで授業にならないでしょう。
私たちはそんな経験をしたことがありません。
雨が降ればいつも祖父が送り迎えをしてくれました。
当たり前だと思っていたことも、みんながみんなそうではなかったのです。
雨の日に濡れながら通学している学生たちを見ると、ふと祖父のことを思い出します。
おわり
こちらもおすすめ!
たとえ葬式でさえも、子供がいれば和む
祖父が亡くなった話