十年後は、みんなアカペラ?
数年前に斉藤和義のライブを見に行ったことがあるのですが、そこで彼が話していたことがあります。
斉藤和義「よくファンの人から全国ツアー大変ですね、体に気をつけてくださいねって言われるんですけど、ツアーでも毎日公演があるわけではないし、リハはするけど一回の公演2時間半くらい。つまり一日数時間しか働いてないから、全然楽勝なんですよね。」
なんて話して笑いを誘っておりました。
プロはツアーで全国を回りますが、当然運転手がついているだろうし、ライブの準備もローディーさんが全部やってくれる。
ライブが始まれば超満員。
マジで羨ましすぎる。
私は趣味でバンドをやっていますが、アマチュアバンドなんてマジで最悪ですよ。
自分たちであっちこっち移動しなければならない…
つまりライブの前からヘトヘトな状態になっていることも少なくありません。
当然ワンマンではないから、さっさと用意して、終わったらさっさと片付けないといけない。
やっとライブが始まったかと思ったらほとんど客はいない…
そしてギャラが出るどころか、足りない分はさらにお金を払わないといけない。
マジでお金で苦労を買っているようなものですね。
なんでこんなことをしているのだろうかと、たまに疑問に思うことがあります(笑)
日本の90年代くらいまでは、バンド・ミュージックがほとんどでした。
しかし、2000年に入った頃からシンガーソングライターやゆずみたいなデュオが増えました。
バンドで色々な楽器を使うのは金銭的にも手間的にもコストが高いのです。
アコギ一本で歌う、みたいなスタイルが一番費用対効果が高いのです。
そして現在に至ってはラップトップミュージック、つまりパソコンで打ち込みで曲を作るようになりました。
カラオケみたいに伴奏を用意して、それに合わせて歌うだけ。
もはやアコギ一本持つのも面倒になってきたわけです。
あと10年くらいしたら、ゴスペルみたいに伴奏なしのアカペラ音楽ばっかりのミュージックシーンになっているかもしれませんね。
バンドってとてつもなくお金がかかるんですよ。
前にサカナクションのボーカルの人が言っていましたが、さいたまスーパーアリーナ2デイズ両方とも満員だったのに赤字だったと(笑)
コスパが悪いからバンドはどんどん廃れています。
実際私が自分でやってみて、そりゃそうなるだろうなと心から思いますね。
でも、斉藤和義も最初はそうだったはず。
それでも腐らずに続けてきたから、プロになれたのだと思います。
とてつもなくコスパの悪いバンド・ミュージック。
減ってきてはいるが、完全に消えてしまうこともない。
なんだかんだで私も続けています。
その理由は、やった人でないとわかりません。